シャタールシアの歴史





その昔シャタールシア大陸では、その大地を汚し、水を濁し、大気を腐らせるほどの大戦があった。それぞれの国は食糧を失い、民を亡くし、臣下は謀略に走り、商人に実権を握られ、国の機能を無くした。





もはや、このまま大陸ごと朽ち果てようとした時、七つの光が世界を包んだ。それは圧倒的な力で人を捻じ伏せ、滅びゆく大地に生命を与え、闇を退け、争いを止めた。


国々は己の愚かさに気づき、国家間でも取り決めにより、不可侵で有益な国交を約定した。この日を人々は突如降り立った七つの光になぞらえて「平和の来光」【グランシャリオ】と呼び、暦を作成した。






グランシャリオ歴724年、700年に及んで築き上げてきた平和は打ち破られた。七つの来光が最初に起き、大国でありながら大陸の平和づくりの中心となって行ない、事実上最も力のあるアイフコール国は、北方にあるわずか30年の歴史しか持たぬ新設国家ソウンドラークによって驚異的な速さで滅ぼされた。この出来事は大陸全土に混乱をもたらした。


グランシャリオ歴727年、ノークライズ、テセエット、ローヴィカーン各国はお互いに協戦同盟を築き、ソウンドラークの進行に備えた。この時、グランシャリオの約定の「不可侵」に背くとして各国の申し出を元アイフコール国に隣接していたケルドールは拒否し、ソウンドラークとの単独抗戦を決定した。

グランシャリオ歴729年、ソウンドラークは元アイフコールの残党の排除と隣接するノークライズとケルドールに出兵をし、開戦した。


グランシャリオ歴732年、ソウンドラークは広大な元アイフコールの少数反乱勢力を排除し、全土統一を果たし、ノークライズとケルドールに全軍進軍した。3年に及ぶ戦いは、ノークライズは協戦同盟とソウンドラークの戦力分散によって辛うじて持ち堪えたが、ケルドールは徹底抗戦虚しく大敗し、ソウンドラーク国領となった。


グランシャリオ歴733年、大陸にある各国はソウンドラークの侵略を止めるべく、協戦連盟に加盟し、積極的な軍事の派遣が締結した。この時、東方に位置する紅神皇国は加盟を拒否した。


そして物語はグランシャリオ歴739年レノラム独立王国から始まる。









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